代表ごあいさつ

代表ごあいさつ

特定⾮営利活動法⼈(NPO)⽇本遺伝⼦関連検査品質保証・教育機構(J-GENE)の理事⻑として、⼀⾔ご挨拶を申し上げます。

 この度、特定⾮営利法⼈(NPO)⽇本遺伝⼦関連検査品質保証・教育機構 Japan Organization for Molecular-GENetic Testing Quality Assurance & Education(J-GENE)は、2025年8⽉15⽇に東京都から認証されました。本法⼈の設⽴の経緯は以下のごとくです。

 近年、医療技術の進歩の進歩にともない、遺伝⼦関連検査は、患者の診断、治療選択や予後判定において利⽤が増⼤しています。検査結果の品質は医学的判断を左右することから、安全・安⼼な患者診療の遂⾏において、技術の進歩に呼応した検査の精度(品質)の確保または品質保証が重要となります。ゲノム医療実現推進のタスクフォースの議論を踏まえて、検体検査の精度の確保に係る医療法等の⼀部改正(改正法)と厚⽣労働省令による施⾏規則(改正省令)(2018 年12 ⽉1⽇施⾏)では、遺伝⼦関連・染⾊体検査が⼀次分類として設置され、その実施における基準と規制が定められました。遺伝⼦関連・染⾊体検査の実施において、義務として求めるものには、精度の確保に係る責任者の配置、標準作業書の作成、作業⽇誌・台帳の作成と保存、内部精度管理の実施と適切な研修が挙げられました。しかしながら、我が国において外部精度管理調査(external quality assessment: EQA)は、広く⼀般に受検できる体制にない現状を踏まえて、外部精度管理調査の受検に関して、義務化は⾒送られ、努⼒義務として求められることとなり、外部精度管理調査(ISO 15189認定審査の現地実技試験を含む)に基づく臨床検査室の第三者認定は勧奨となりました。

 先般の新型コロナウイルス感染症等の対応において、適切な診断・治療を⾏う上での検体検査の精度管理の重要性が明らかになりました。今後、これまでの検体検査のみならず、新興感染症への対応やがん遺伝⼦パネル検査、難病遺伝学的検査のような先進医療等で⽤いられる遺伝⼦関連・染⾊体検査の外部精度管理調査において、検査の精度を確保しつつ、平時に安定した外部精度管理調査の供給が滞りなく⾏われるように図り、有事には、即時に対応可能な検査体制を構築する必要があります。令和3年度 厚⽣労働⾏政推進調査事業費補助⾦(厚⽣労働科学特別研究事業)「検体検査の外部精度管理調査における組織構築に向けた研究」において、遺伝⼦関連・染⾊体検査の外部精度管理調査の恒常的普及の在り⽅について整理し、従来の調査研究や海外事例を参考にした,産官学および各関連団体が連携した体制の構築にかかわる提案がなされました。また、⾼度な遺伝⼦関連検査を実施する第三者認定において、検査者、検査室責任者・管理者(検査部⻑)や認定審査員などに必要な専⾨的⼈材の必要性が指摘されました。

 本法⼈J-GENE が提供する外部精度管理調査は、病原体核酸検査、体細胞遺伝⼦検査及び⽣殖細胞系列遺伝⼦検査を対象とします。調査試料を配布し、受検施設の解析結果を分析、評価します。成績と評価に基づき、各施設の検査要員(測定者、精度管理・精度確保責任者など)の研修や教育の機会を提供し、検査の質の継続的な改善につなげます。また、技術の進歩に呼応した品質・リスクマネジメント能⼒を有する⼈材育成を⽬指します。具体的な事業運営として、厚⽣労働省委託事業(令和2-5 年度)「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」で構築した技術基盤を引き継ぐとともに、がん遺伝⼦パネル検査や難病遺伝学的検査を実施する臨床検査室におけるISO 15189 認定審査の現地実技試験について研究費負担による実施体制から技術移管のもと、ステークホルダー負担による運営体制に移⾏し継続します。このほか、外部精度管理調査全体の情報を収集・共有する仕組みの構築として、他の外部精度管理調査やメーカーサーベイと連携し、国とも情報共有して、インセンティブの付与など医療政策の検討に活⽤したいと考えています。なお、J-GENE は、NPO 法⼈としての事業遂⾏ととともに、早期に必要な準備作業を踏まえて関連企業・団体等の参画の下にコンソーシアム形式での運営に移⾏することを想定しております。

 本法⼈の設⽴趣旨に基づく事業の継続、充実・発展には、関係学会・団体(企業)や会員のご協⼒、ご指導が不可⽋です。つきましては、是⾮ともご⽀援いただきますようお願い申し上げます。

2025年12⽉
特定⾮営利活動法⼈ ⽇本遺伝⼦関連検査品質保証・教育機構
理事⻑ 宮地 勇⼈