1)外部精度管理調査(評価)の提供
遺伝子関連・染色体検査の外部精度管理調査(評価)の組織では、受益者負担のもと、恒常的に外部精度管理物質の開発・調達・供給ができ、調査の結果・成績のモニターを行う。それに基づき、各施設の検査要員の研修・教育の機会を提供し、継続的質改善につなげる(外部精度管理調査サイクル)。
- 管理試料の開発・調達、解析と値付、準備と配布、受審施設の解析結果の分析と評価
- 病原体核酸検査、体細胞遺伝子検査、生殖細胞系列遺伝子検査を対象とし、平時から恒常的な組織機能を有する。
- がん遺伝子パネル検査や難病遺伝学的検査を実施する臨床検査室のISO15189認定審査における現地実技試験(外部精度管理評価)を支援する。
- グローバル・パンデミックの緊急時に際して、新たな病原体に対して速やかに外部精度管理調査(評価)を立ち上げ可能な機能とする。
検査試薬キットの緊急時の使用において、その測定精度の確認を行う。その運営、財源等について、国との相談に基づき進める。
2)教育システムの提供
外部精度管理調査(評価)サイクルは、調査実施→成績評価→教育的フィードバック→モニタリング→継続的質改善からなる。例として、遺伝子関連検査の外部精度管理調査(評価)サイクルは、症例シナリオと試料配布→測定、結果解釈と自己評価→結果分析、パフォーマンス評価→評価のフィードバック→質改善のための議論からなる。遺伝子関連・染色体検査の外部精度管理調査(評価)における施設個別の成績とそれに基づく改善のための議論は、臨床検査室にとって、継続的質的改善のみならず、検査者や責任者の教育・訓練に利用可能とする。さらに本法人では、高度な遺伝子関連・染色体検査の検査者・検査精度の確保の責任者・管理者(検査部長)(第三者認定の審査員の候補)などに必要な専門的知識・技能の系統的な教育を行う。例として、高度技術に呼応した臨床検査室におけるリスクマネジメント構築に関する基礎と実践の教育を行う。
3)遺伝子関連・染色体検査版共通外部精度調査(評価)事業(予定)
(National External Quality Assessment: NEQAS)
全体情報収集共有システムでは、従来の広域外部精度管理調査(評価)(各団体等で行われている)さらにメーカーサーベイ(第二者サーベイ)と連携し、プログラム種類、参加施設、成績モニタリングの情報の収集と提供を行う。各団体との連携は様々な形式が想定され、各団体との相談に基づき進める。広域外部精度管理調査(評価)には、日本臨床衛生検査技師会(結核菌DNA、HCV‐RNA)、日本医療検査科学会(白血病BCR‐ABL、PML‐RARA、WT1 )、日本臨床検査医学会・CAPサーベイ、メーカーサーベイには、結核菌DNA検査(LAMP研究会による)やFISH検査などがある。本スキームは、国の指導・監督のもとで実施し、国と情報共有する。国は、これら情報を共有し、質改善に対する統一された評価に基づきインセンティブ付与等の医療政策に反映を検討する。その運営、財源等について、国との相談に基づき進める。